最近プログラミングへの注目度も上がってきたことでプログラミングを始めてみたいという小中学生、子供にプログラミングを学ばせたいという親御さんも増えてきていますね。
しかしプログラミングといっても具体的に何をすればいいか分からないという方多いと思います。
そんな方々におすすめするのは”Scratch(スクラッチ)”というプログラミング言語です。
ここではそのScratchについて徹底的に解説していきたいと思います。
それではいってみましょう!
Scratchとは?
みんな気になるScratchとは一体なんなのか。
一言で表すとしたらMITメディアラボが開発したGUIで開発可能なプログラミング言語です。
GUIとはGraphical User Interfaceの略称で文字以外の視覚的な要素も含む操作方法や表示方法のことです。GUIに関しては後述するScratchをおすすめする理由で重要になってきますので、また改めて解説します。
私はこのScratchをプログラミングを始めたいという小中学生に強くおすすめします。
Scratchをおすすめする理由
なぜプログラミングを始めたい小中学生にはScratchをおすすめするのか。それを話す前にちょっと小難しい話。
本来プログラムというのは文字の羅列だけで、その文字列を最終的に0と1だけの機械語(Machine code)に変換し、初めてコンピュータが理解します。
つまり、ほとんどのプログラミング言語はCUIで表現されます。
CUIとは、Character User Interfaceの略称で先ほど登場したGUIとは反対に視覚的要素が文字のみの操作方法、表現方法です。
実際にCUIプログラミング言語のC言語で書かれたプログラムを見ていただきましょう。
#include <stdio.h>
int main(void){
printf("Hello world\n");
return 0;
}
当たり前ですが文字だけですね(笑)
ここで皆さん、想像してみてください。
「プログラミングを始めたい!」と思っているプログラミングのプの字も分からない小中学生がいきなり上記のようなCUIプログラミング言語に手を出すとどうなると思いますか?
プログラミングが好きではない限り、長くは続かないことは見て取れちゃいますよね。
上のプログラムだって画面に文字を表示する一番簡単なコードです。本当はもっともっと長いコードを書かなくてはなりません。
第一CUIプログラミング言語はまず最初に文法を学ばなければなりませんから「ゲームを作りたい」といった好奇心も作れるようになるまで徐々に薄れていってしまいます。
そこでおすすめしたいのがScratchなんです。
Scratchは最初に述べた通り、GUIで開発可能なプログラミング言語です。
その上、簡単な使い方さえ覚えれば文法を学ぶ必要はありません。
日本語で書かれたブロックをドラッグ&ドロップで組み合わせることによってプログラムを作成していくのです。
実際にScratchで書かれたプログラムを見ていただきましょう。
どうですか?上のプログラムに比べてずっとわかりやすいでしょう。
このわかりやすさがScratchの一番の強みなんです。
決してCUIのプログラミング言語が悪いと言っているわけではなく、プログラミングが初めての小中学生がプログラミングの楽しさを理解するにはScratchを使うことが最善最速の手段だということです。
どうしてもCUIに挑戦したいんだ!って子もよほどコンピュータに強くない限り、Scratchから始めることをおすすめします。
教材としてのScratch
ここで、Scratchの実績をご紹介します。
Scratchは150以上の国と地域で利用され、40以上の言語に対応しています。もちろん日本語もその一部に含まれています。さらに言うと、日本語はひらがなのみと漢字の二種類があり、年齢に合わせて使い分けることができます。
つまり今、世界中の学校で教材としてScratchが使われているのです。
日本でも子供向けのプログラミング教室の大半は実際にScratchを使用しています。
それだけScratchが教育の場で認められているということです。
ちなみにNHKのEテレで放送中の教育番組「Why!?プログラミング」でもScratchは使用されています。
作品を共有
Scratchのメリットの一つに共有機能があります。
Scratchのページにいくと自分の作った作品を簡単に共有することができます。
そして、世界中の人々が共有した作品を見ることもできます。
他の人の作品を見ることで参考になったりいい刺激になったりするでしょう。
Scratchで何が作れるの?
Scratchがなんなのかは大体わかったけど、実際何が作れるの?といった疑問があるかと思います。
答えは、ゲームを始めアニメーションなど基本なんでも作れちゃいます。
ゲームを作るのにも、キャラクターなどのデザインは大体準備されていますし、自分で作ろうと思えば自分で作れちゃいます。音楽、効果音、背景も同様です。
実際にゲームを作ってみた
イメージしやすいように実際にゲームを作成してみました。
1,2時間程度で作成したランニングゲームです。
恐竜が走ってリンゴを集めていって岩に当たったら終了というシンプルルールです。
上下十字キー二つを使って操作します。
※ゲームを開始いたしますと音が流れます。ご注意ください。
Scratchではこのような簡単なゲームからやろうと思えば本格的なゲームでさえ作れてしまいます。ではこれから具体的なScratchの始め方を解説していきます。
Scratchの始め方
Scratchの始め方は大きく分けて二つあります。
一つはScratchのサイトに行き、WEBアプリケーションという技術を使いオンラインで開発する方法。もう一つはScratchデスクトップというソフトウェアをインストールし、オフラインで開発する方法です。
どちらの方法を用いてもScratchは無料で使うことができるのでご安心ください。
どちらの方法でも簡単に始められてしまうので手順は少なめですがわかりやすく解説していきます。
オンラインの場合
オンラインの場合、PCかタブレットでの開発が可能です。スマートフォンではプロジェクトの閲覧は可能ですが、プロジェクトの作成や編集ができません。
Scratch公式にサポートされているブラウザの一覧を以下に載せておきます。
PC
- Chrome (バージョン63以上)
- Edge (バージョン15以上)
- Firefox (バージョン57以上)
- Safari (バージョン11以上)
- Internet Explorerはサポートされていません。
タブレット
- Mobile Chrome (バージョン62以上)
- Mobile Safari (バージョン11以上)
オンラインの場合、Scratchのホームページへ行けばすぐに開発ができてしまいますが、保存や共有、コメントやフォーラムへの投稿など様々な主要な機能を使うにはアカウントが必要です。
せっかく無料で作れるのでアカウント作成をおすすめします。
1.ホームページ右上のScratchに参加しようをクリック
Scratchのホームページはこちら
2.アカウントの作成
ユーザー名は世界中に公開されます。そのため本名は禁止で、他のユーザーと被ってはいけません。
国は”日本”ではなく、”japan”で探してください。
3.メールアドレスの認証
メールアドレス設定後、設定したアドレスにメールが届くのでそのメールの指示に従って認証を行なってください。認証を行わないと共有が使えません。
4.サインインして作る
サインインを押して先ほど設定したユーザー名、パスワードを入力しサインインします。
その後、作るを押してプロジェクトを作成します。
これでオンラインでScratchを始めることができましたね。次はオフラインでの方法です。
オフラインの場合
オフラインの場合、Scratchデスクトップというソフトウェアをインストールします。逆に言えばそれだけです。
Scratchデスクトップダウンロードページはこちら
使用しているPCのOSを選択してダウンロードを押します。
これをインストールすればオフラインでScratchを始めることができます。
最後に
以上、Scratchとは?からScratchの始め方まで解説してきました。
Scratchはプログラミング学習を前提として作られているため、プログラミング初学者の小中学生にはうってつけなんです。これを閲覧していただいている親御さんは是非一度お子さんにやらせてみてはいかがでしょう。こんなに子供が楽しみながら学習できる教材はなかなかありません。
ちなみに、オンラインとオフラインどっちで始めるか選べないという方は最初にオンラインでアカウントを作らずScratchを触ってみるのがいいと思います。その後、アカウントを作ってScratchを思う存分楽しんでください。だいぶ慣れてきたなと思ったらScratchデスクトップをインストールしましょう。
今回はScratchの始め方でしたが、これからScratchの使い方など記事をあげていきたいと思いますのでチェックのほどよろしくお願いします。
コメント
【完全版】Scratch3.0入門編を楽しく読んでいます。質問ですが何故「【完全版】Scratch3.0入門編④」がないのでしょうか?
閲覧、並びにコメントをくださりありがとうございます。とても励みになります。
【完全版】Scratch3.0入門編④に関してですが、予定と致しましては繰り返し編をお送りします。それに伴い、まずブロックの形の概念が理解の手助けになると考え、記事の投稿順序が前後する形となりました。また、④繰り返し編は現在執筆中です。
混乱を招く結果となったこと、お詫び申し上げます。今後ともよろしくお願いします!